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「甘えの構造」を読んで考えた、働き方のこと。

書籍

先日、土居健朗の「甘えの構造」を読みました。昭和46年に出版され、当時の日本人に大きな衝撃を与えた一冊らしい。

まず、「甘え」の意味を確認。

あまえ【甘え】 – 人の好意をあてにする気持ち。

出典:デジタル大辞泉

なるほど。あの人ならこうしてくれるだろう、という希望的観測でものごとを考え、結果的に読みが外れると「考えが甘かった」となりますもんね。

どうやらこの「甘え」というのは日本人を特徴づけるものらしいです。正確に言えば、1970年代を生きていた日本人ですね。良くも悪くもグローバル化した現代では、また別の意見があるかもしれません。

でも、約40年で日本の文化が根こそぎ変わったわけではないので、現代の日本人においても「甘え」が一つの特徴であると考えても間違いにはならないのでは?と思います。

古い本なので、立派な書評は山ほどあります。なので、本の内容をなぞるというより、読んでみて思ったことを書き殴りたいと思います。

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甘えとブラックな社会

「相手の好意を頼りにする」という言葉を見て、すぐさま考えたのは仕事のことです。昨今の「働き方」に関する問題のほとんどが実は「甘え」に由来するものではないかと思ったのです。

例えば、上司部下の関係。

「あいつならこの仕事をイヤと言わずに引き受けるだろう」と部下の好意を頼りに過度な量の仕事を割り振る上司。部下は波風立てたくないので「いいですよ」と引き受けます。

よくあるパターンだと思います。実際、アルバイトをしていた頃によく見た風景です。「〇〇くんなら、大丈夫でしょ!」と社員さんから膨大な量のシフトを任されている後輩がいました。

一見すると、上司が部下に甘えている構図のように思えますが、実は部下も上司に甘えています。文句を言わずに仕事を引き受けてさえいれば、上司からイヤな顔をされずにすむ。こういう考えは、根っこに甘えがあるのです。

このお互いに甘え合う関係性を維持し、上司からの振られる仕事を部下が繰り返し引き受けることで、様々なところで無理が生じてくるのです。仕事を効率化するという手もありますが、多くの場合は、残業や休日出勤などで働く時間を増やし、仕事を消化するしかなかったりします。

では、お互いに甘えるのをやめれば問題は解決するのでしょうか。上司は、部下の労働時間と能力から見てちょうど良い量の仕事を部下に与える。部下は、自分の能力を考えて労働時間内に収まる量の仕事だけ引き受ける。断ること、断られることに対して感情を挟まない。

おそらく経営が成り立たないでしょうね・・・

そんな状況では、いつまで経っても仕事が終わりません。だからと言って、働く人をもう一人増やすもの大変です。どっからその人件費を出すんだっていう話です。

つまり、問題は上司部下間の甘えだけではなく、さらに広い範囲で考える必要があるんでしょうね。会社と社員間の甘え、サービスと顧客間の甘え、社会と人間間の甘えなど、相互依存になっているものの間の甘えを考えることで問題の原因が見えてくる気がします。

なんだか、終わりが見えないでの、この辺で区切ります(笑)

まとめ

多くの人が普段意識することなく甘えています。この「甘え」を改めて見つめ直すと、自分の身の回りで起きている様々な問題の原因や解決策が見えてくるように思います。

日本人の特徴である「甘え」。これが一体どういう性質のものなのか、それを知るだけで今後の人生が変わると言っても過言ではないでしょう。

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