今や世界的な人気を誇るポケモン。僕の中での登場モンスター数は250程度で止まっていますが、現在は700種類以上が存在しているそうです。余裕で知らないポケモンの方が多いですね。
ポケモンのことで知らないと言えば、モンスターの英語名です。え?ローマ字にしただけじゃないの?と思った方も少なくないはず。
ヒトカゲがCharmander(チャラマンダー)になっていたり、プリンがJigglypuff(ジグリーパフ)だったりと和名と大きく異なる名前が付けられているんです。もちろん、Pikachu(ピカチュウ)のようにそのままのポケモンもいますが。
で、そのポケモンの英語名がなんだかすごいことになっているらしいのです。
それを知るきっかけになったのが、この画像に登場する“a Ditto Pikachu”。一体なんのことなの?と思い、調べてみるとDittoはメタモンのことだそうで。つまり、ピカチュウに変身したメタモンのことらしい。
でも、なんでメタモンがDittoなのだろう。そこんとこも調べてみると、日本語でも使われる「〃」(ノノ字点、同じく記号と呼ぶ)を英語ではditto markと呼ぶとのこと。なるほど、相手ポケモンと同じ姿に変身するメタモンの特徴を上手く表現していますね!メタモンの二つの目も「〃」を表しているように見えてきました。
これは感動を覚えるほどのネーミングセンス。センスいいなぁと思わずにはいられないメーミングが見つかるに違いない!そう思い調べてみました!(今回は初代151匹から厳選しました)
ハイセンスなポケモンの英語名
最初の御三家と進化形
まずは、オーキド博士から貰える御三家から。進化系とセットで。
フシギダネ: Bulbasaur = bulb(球根)+saur(恐竜)
フシギソウ: Ivysaur = ivy(ツタ植物)+saur(恐竜)
フシギバナ: Venusaur = Venus Flytrap(ハエトリグサ)+saur(恐竜)
和名ではフシギで統一されていたのところが、saur(恐竜)になっています。進化すると球根→ツタ→ハエトリグサとなってますね。日本版とは少々異なりますが、しっかりと植物の成長が表現されています。でも、フシギバナってハエトリグサなの?
ヒトカゲ :Charmander = char(炭にする)+salamander(サラマンダー)
リザード :Charmeleon = char(炭にする)+chameleon(カメレオン)
リザードン :Charizard = char(炭にする)+lizard(トカゲ)
こちらは炭にするという意味のcharが統一されています。サラマンダー→カメレオン→トカゲと爬虫類で揃えてますね。でも、イメージ的に段々弱くなっていませんか?サラマンダーが一番強そう!(笑)
ゼニガメ: Squirtle = squire(騎士の従者)+ turtle(ウミガメ)
カメール: Wartortle = warrior(戦士)+tor(”tortoise”)+ tle(”turtle”)
カメックス: Blastoise = blaster(ブラスター)+tortoise(リクガメ)
御三家では一番上手いネーミングです!カメールの名前にtortoiseとturtleを半分ずつ使っています。これによってウミガメからリクガメへ徐々に進化する過程が表現されていますね!
さらに最初はsquire(騎士のアシスタント)だったのがwarrior(戦士)になり、最後はblaster(大砲)を担いで戦うというストーリー性も感じられます。絶妙なネーミングセンスです!!!
多様なネーミング手法
ポケモンの名付け方には色々あるようです。面白いものをピックアップしていきましょう!
オニスズメ: Spearow = spear(槍)+sparrow(スズメ)
オニドリル: Fearow = fear(恐怖)+sparrow(スズメ)
sparrow(スズメ)の語感を崩すことなくSpearowとネーミングされたオニスズメ。いいですね。そして、オニドリルになるとオニをfearに置き換えるセンスもなかなか。
アーボ: Ekans = snake(ヘビ)の逆読み
アーボック: Arbok = cobra(コブラ)の逆読み
アーボックがコブラの逆読みなのは有名な話ですが、英語ではアーボもsnakeの逆読みになっています。語感を統一するか、ネーミング方法を統一するか。難しいところですが、アーボ→アーボックの方が好きだなぁ。
ニャース: Meowth = meow(ニャー)+ th(ス)
猫の鳴き声は英語でミュー(meow)。だったら当然ニャースはミュースでしょ、というネーミング。日本語と英語を置き換えただけのシンプルなパターンですね。分かりやすい!
ケーシィ: Abra = Abra(アブラ)
ユンゲラー: Kadabra = Kasabra(アダブラ)
フーディン: Alakazam = Alakazam(ちちんぷいぷい)
ケーシィ・ユンゲラー・フーディンは、「アブラ・カダブラ・アラカザム」。語感が最高ですね(笑)いかにも呪文を唱えそうなモンスターなので、イメージにぴったりです!
ベスト・ネーミング賞候補です
ベスト・ネーミング賞候補のご紹介です。
ワンリキー: Machop = Macho(マッチョ)+ chop(チョップ)
ゴーリキー: Machoke = Macho(マッチョ)+ choke(チョ—ク)
カイリキー:Machamp = Macho(マッチョ)+ champ(チャンピオン)
怪力ポケモンのこの3匹、見た目通り全員にmacho(マッチョ)がついてます。そして、そこに加わるのがchop(手刀)とchoke(裸絞、はだかじめ)、最後にchamp(チャンピオン)ですよ!完璧じゃないですか!!この統一感とストーリー性の絶妙な合わせ技に美しさを感じます。
中には悪例も・・・
これは逆に尻窄みになってしまった悪例。
イシツブテ: Geodude = geo(地球、土地)+ dude(ヤツ)
ゴローン: Graveler = gravel(砂利)
ゴローニャ: Golem = golem(ゴーレム)
Geodudeはイシツブテのごつごつ感と不機嫌そうなあの表情を上手く表現しています。しかし、ゴローンはgravelに”er”を付けただけ。ゴローニャに至ってはgolem。全く捻りがなく、かつ、ゴローニャの怪獣らしさが感じられないですね。
ギャロップ: Rapidash = rapid(速い)+ dash(ダッシュ)
ポニータの進化系・ギャロップ。英名では、Rapidash(高速ダッシュ)。ギャロップの方が馬の姿がイメージし易いので、僕はギャロップの方が好きですね。
直訳では伝わらない名前をセンスでカバー!
ヤドン: Slowpoke = slowpoke(のろま)+ poke(ポケモン)
ヤドラン: Slowbro = slow(遅い)+ bro(兄弟)
slowpokeでのろまの意味ですが、そのまま使われています。ですが、poke部分がPokémonのpokeになっているので、これは良例ですね。ヤドランはヤドンとシェルダーがくっ付いたポケモンなので、bro(兄妹)というのはなかなかいいネーミングです。ヤドン、ヤドランでは何言ってるんだコイツ状態だったのが、上手いことネーミングでカバーされています。
カモネギ: Farfetch’d = far-fetched(信じられない)+ fetch(取ってくる)
こちらも素晴らしいネーミングです。カモネギは「鴨が葱を背負ってくる」ということわざが由来です。偶然が重なり、好都合なことが起こるという意味です。「葱を背負ってくる」をfetchで、「偶然いいことが起こる」をfar-fetchedで表しているんですね。Kamonegiとしていたら外国の人にとってはチンプンカンプンだったでしょう。それを上手く英語で言い換えています!
ドードー: Doduo = dodo(ドードー)+ duo(2人組)
ドードリオ: Dodrio = dodo(ドードー)+ trio(3人組)
今度はほとんど和名のままですが、わずかに修正を加えることで改善した例です。頭が3つのドードリオは、トリオが文字ってあります。そこで、頭が2つのドードーをドーデュオにすることでより統一感が出るのです。英名の方がしっくり来ますね!
良ネーミングは格闘系に多し!
これもベスト・ネーミング賞候補ですね。素晴らしいです。
サワムラー: Hitmonlee = hitman(殺し屋)+ monster(モンスター)+ Lee(リー)
エビワラー: Hitmonchan = hitman(殺し屋)+ monster(モンスター)+ Chan(チェン)
さっきのワンリキー・シリーズといい、ネーミングが非常にハイセンスです。ポケモンのタイプ毎にネーミング担当者が違うのではないか、と思わずにいられません。
殺し屋を意味するヒットマン。でも、ポケモンはマン(人間)では無くモンスターなので、hitmonに変えてあります。そして、世界的アクションスターであるブルース・リーとジャッキー・チェン、両氏の名前を添えてあります。これは、 エビワラーがプロボクサー・海老原博幸さん、サワムラーがキックボクサー・沢村忠さんに由来していることを忠実に踏まえているのです!この完成度の高さ、感動しますね!
ベロリンガ: Lickitung = lick(なめる)+ tongue(舌)+ tung(油桐)
ベロリンガもなかなかです。lickとtongueで舌でなめるというベロリンガらしさが表現されています。しかし、さらにここでtongueをtungにすることで、油桐の意味も加えてあるのです。油桐とは、桐油と呼ばれる塗料等に使用される油を採取するための植物です。この油っぽい単語を加えることで、ベロリンガのベトベトした感じが上手く表れ、いっそう名前とイメージが強く結び付いています。
サイホーン: Rhyhorn = rhinoceros(サイ)+ horn(角)
サイドン: Rhydon = rhinoceros(サイ)
サイドン、サイホーンはニャースと同じタイプで、日本語部分を英語に置き換えてあります。サイ=rhinocerosということで、頭のrhyが使われています。最小限の変更を加えることで、オリジナルを崩さず、かつ、英語圏の人に伝わる名前にする。スマートさがありますね。
ラッキー: Chansey = chancy(不確かな)
ラッキーがなぜ不確かなに!?と思う方もいるでしょう。ですが、実は由来は同じなのです。ゲーム中でラッキーは捕まえにくいポケモンとして登場します。モンスターボールを投げてもゲットできるか不確か、でもゲットできればラッキー!ということです。
モンジャラ: Tangela = tangle(もつれ)もしかしたら+tentacle(触手)?
モンジャラはもつれを意味するtangleが由来となったTngelaが英名となっています。この名前を眺めているとどうもtentacle(触手)という文字が見えてくる気がします。モンジャラのイメージにもぴったりですし。でも、Tangelaとtentacleって全然違うんですよね・・・なんでだろ(笑)
ガルーラ: Kangaskhan = kangaroo(カンガルー)+ Genghis Khan(チンギス・ハン)
和名ガルーラはカンガルー+ルーラー(支配者)が由来です。英名でもその組み合わせがしっかりと受け継がれており、カンガルーとチンギス・ハンが使われています。西洋社会の立場からすると、東洋の支配者=チンギス・ハンなんですね。でも、カンガルーとチンギスハンをミックスしたら、頭の中でかなりシュールな絵が浮かぶんですけど・・・(笑)
トサキント: Goldeen = goldfish(金魚)+ qween(女王)
アズマオウ: Seaking = sea(海)+ king(王)
トサキントをGoldeenにしqweenの要素が加えてあります。そうすることでアズマオウのkingとマッチし、和名にはなかった統一感が生まれましたね。ですが、僕は女王や王という名が付く程、彼らが活躍しているところを見たことがないです。
まさかのダジャレ!?でもいい感じ
ヒトデマン: Staryu = star(星)+ you(あなた)
スターミー: Starmie = star(星)+ me(わたし)
出ました!ダジャレ系!スターミーならスターユーでしょ!っていうなんとも安直なネーミング(笑)でも、嫌いじゃないんだよなぁ。
バリヤード: Mr. Mime = mime(ものまね芝居、パントマイム)
斬新な名前の付け方です。ミスター・マイム。ダイレクトな名前なのでバリヤードより分かりやすいですね。
ルージュラ: Jynx = jinx(ジンクス)
「何故ジンクス!?」と思い、結構時間を掛けて考察しました。恐らくルージュラ(こおり・エスパータイプ)を雪女として捉えたネーミングですね。まず、ジンクスとは「縁起の悪い言い伝え」を指します。黒猫に横切られたら災いが起こる、などが例です。
雪女に関する逸話や物語はたくさんありますが、共通点があります。
常に「死」を表す白装束を身にまとい男に冷たい息を吹きかけて凍死させたり、男の精を吸いつくして殺すところは共通しており、広く「雪の妖怪」として怖れられていた。
(出典:雪女 – wikipedia)
つまり、雪女に出会ったら命を落とすことになるのです(小泉八雲の怪談の場合、若干違いますが・・・)。というわけで、ルージュラ=雪女とした場合、死を暗示するモンスターとなるのでJynx(ジンクス)となったのではないでしょうか。
エレブー: Electabuzz = electro(電気の)+ buzz(うなり)
これもハイセンスな訳です。ブーというノイズをbuzzとしています。日本語は擬音語が豊富な言語とされています。そのため、独特な表現が多く、一対一で英語に変換できないものがたくさんあります。このブーもbuzzと言ってしまった方が分かりやすいのでしょう。
コイキング: Magikarp = magic(魔法)+ carp(鯉)
コイキングは初代ポケモン中最弱とされるポケモンですが、進化すると強力なギャラドスになります。その飛躍的な成長をmagicと表現したようです。確かに、進化というより魔法の方がしっくり来ますね。
イーブイシリーズもハイセンスです
イーブイ: Eevee = EV
シャワーズ: Vaporeon = vapor(水蒸気)+ eon(無限に長い期間)
サンダース: Jolteon = jolt(ショック)+ eon(無限に長い期間)
ブースター: Flareon = flare(炎)+ eon(無限に長い期間)
イーブイの和名がevolution(進化)の前2文字”E”と”V”を由来としていることは有名ですね。英語名では、それがネイティブな発音になってEeveeと名付けられています。
イーブイとそれから派生するポケモンたちは進化がモチーフとなっています。進化は本来、途方もない時間をかけて行われるものです。なので、イーブイから進化したポケモンの名前には無限に長い時間を意味するeonが付いています。あとは、それぞれの属性を表す水蒸気、電気ショック、炎が加えられています。和名よりも統一感があり、完成度が高いです。
プテラ: Aerodactyl = aero(空気)+ pterodactyl(翼竜)
和名がプテラノドンに由来するプテラですが、英語名では少し複雑に。これはシンプルで分かりやすいプテラが好きかな。プテラでも英語圏の人に伝わるような気もするんだけど、どうなんだろ?
カビゴン: Snorlax = snore(いびき)+ lax(だらしのない)
これはそのままですね(笑)いつもだらしなくいびきをかいているカビゴンにぴったりのネーミングだと思います。
伝説ポケモン御三家は残念な結果に・・・
フリーザー: Articuno = arctic(北極の)+ uno(スペイン語のone)
サンダー: Zapdos = zap(電気のバチンという音)+ dos(スペイン語のtwo)
ファイヤー: Moltres = molt(羽の抜け変えをする)molten(meltの過去分詞)+ tres(スペイン語のthree)
同じ文字を使って統一感を出す方法もありますが、こちらはナンバリングで統一感を出しています。図鑑ナンバー順にuno、dos、tresとスペイン語で数は振ってあります。しかしながら、それぞれの属性を表す部分に統一感がないのが残念ですね。この3匹の中で不遇の存在として知られるファイヤーさん。ネーミングもmolt(羽の抜け変えをする)と、ちょっとショボめ。不死鳥の如く再生を繰り返すイメージなんだろうけどさ・・・moltではなくmoltenが本当の由来だったようです。moltenは「熱によって溶かす」を意味するmeltの過去分詞形。いっきに炎タイプっぽさが出ましたね。(Baybarsさん、情報提供ありがとうございました!)
ミニリュウ: Dratini = dragon(ドラゴン)+ tiny(小さな)
ハクリュー: Dragonair = dragon(ドラゴン)+ air(空気)
カイリュー: Dragonite = dragon(ドラゴン)+ knight(騎士)
最後にドラゴンポケモン3匹です。ミニリュウのミニはtinyで表現されています。ハクリューは天気を操るポケモンとされていますので、air(空気)が当てられています。カイリューは優しそうな顔に似合わずknight(騎士)です。
実はこれだけではなくて、ハクリューは debonair(洗練された魅力を持つさま)、カイリューはdraconite(竜の頭部に埋まっている宝石)も由来になっているそうです。ドラゴンだけあってファンタジーな単語が出てきますね。
まとめ
ポケモン多いよ!なめてました。すいません。これでも冒頭のメタモン合わせて58匹ですからね。
また時間を作って、残りのポケモンたちもまとめたいと思います。とりあえず、151匹目指します!
ちなみに独断と偏見で選ぶベスト・ネーミング賞は、Hitmonlee(サワムラー) とHitmonchan(エビワラー)のコンビです!manをmonに変えるディテイルへのこだわり、そして、オリジナルである和名と同じく人名を用いている点。これ以上ないネーミングセンスです。感動した!!!
ポケモンは700種以上いるそうなので、まだまだこんな素晴らしい名前を持ったポケモンに出会えるかもしれません。ワクワクしながら続編を作りたいと思います!
今回の調査に当たっては、bulbapediaという海外版ポケモンwikiを参考にしました。自分なりの解釈を交えたものもあるので、そこはおかしいやろ?という点があれば、是非ご指摘下さい!
コメント
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引用ありがとうございます!
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ファイヤーはmolt(羽根の抜け変わる)ではなくてmolten(meltの過去分詞)だそうですよ
コメントありがとうございます!
ファイヤーの名前の由来、ご指摘の通りですね。早速、修正させていただきました。
情報提供どうもありがとうございました!
初めまして、引用させて頂いてもよろしいでしょうか?
また英語版wikiのどの部分を参考にされたらお聞きしたいです!
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