先週、マイケル・ボルダック氏の「行動の科学」を読みました。行動を起こすためのモチベーションの源は、痛みと快感をどうコントロールするかがカギだ、という話でした。
3Dプリンター
今週は、同じくマイケル・ボルダック氏の著書「達成の科学」を拝読。「行動の科学」だけでは理解しきれなかった部分の補完を目的に、著者の思想をより深いところまで知れればいいな、と思い読んでみました。
2冊の内容はある程度オーバーラップしますが、表現の仕方が違いますので「なるほど、そういう事だったのか」と読んでいて理解が深まることが結構ありました。同じ本を熟読するのもいいですけど、似た内容の本を複数読む方が理解が深まるスピードが速いというか、確率が高いというか、そんな気がします。
もちろん、新たな学びもありました。それは「計画すること」についてです。
価値のある計画を立てる
もともと僕は計画や目標設定をするのが好きなので、計画を立てることが重要だということは実感していました。
ところが、計画した時点で満足してしまい達成に至らない・・・しかも無謀な完成したのは計画で実行しても続かない・・・というよくあるパターンに陥ることが多々ありました。
例えば、フルマラソンが2ヶ月後に迫ったときに、当日までに300キロは走りこみたいな、30キロジョグを1回、20キロジョグは3回はしておきたい、毎日ストレッチをして、体幹も鍛えたいな・・・などなど、あれもこれも書き込み、盛りだくさんの計画が出来上がります。自分の理想を詰め込んだパッツンパッツンの計画、こなせれば心は満足なのかもしれません。しかし、達成の可能性があまりに低いことは明白です。もっというと、この計画が達成できたとして、目標が達成できるとは限りません。やりたいことを並べただけで、目標達成に効果的なことだとは言い切れないからです。
そんな行き当たりばったりな「無計画な計画」していた僕が「達成の科学」を読んで、気付いた計画を立てるうえでの大切なポイント。それは、「その計画、買いたいと思いますか?」という問いかけです。
ボルダック氏はクライアントからビジネスプランのフィードバックを求められたとき、こう考えると言います。
ビジネスプランに目を通すとき、いつも私は「このビジネスに私だったら投資するだろうか?」と客観的に見渡します。
(p.183)
“価値ある計画”なのか“客観的”に見る。そして、価値がなければ、何故ないのかを考える。そういった思考が効果的な計画を立てる上で大切なのです。
ボルダック氏は、計画の中身であるビジネスに対して投資できるかどうかを判断基準にしています。僕は少し解釈をずらして、計画そのものに対してお金を払えるか、と考えてみてはどうだろうかと思ったのです。コーチやコンサルタントといったような「自分を成功に導いてくれるもの」にお金を払えるか、ということに近いでしょうか。
マラソンで例え話をしてみましょう。
「フルマラソンでサブ4(4時間切り)を達成したい・・・!」そう思い、マラソンに詳しくサブ4を達成している知人・Aさんに、目標達成のためのアドバイスを求めたとします。
「それなら僕が大会当日までの練習計画を作りましょうか?!」と親切で面倒見のいいAさん。これはありがたい。
「いいんですか!?嬉しいです!ぜひ今度、飯奢らせてくださいよ!」と返事をします。
後日、「できましたよ!」とAさんに手渡されたのは、サブ4達成のために必要なメソッド満載の『Aさんにとっての理想的な練習計画』・・・ゴチャゴチャいろいろ書いてあるけど、これを実行して本当にサブ4が達成できるのか?そもそも実行できるのか?と疑問が浮かびます。
とりあえず「ありがとうございます!」と言いつつ、内心では(これじゃあ飯は奢られへんな・・・)とつぶやきます。やらないのはなんだか申し訳ないので、トライしてみますが、結局は続かないでしょう。やる気になりませんからね。
一方で、Aさんが作成した練習計画が『価値のある練習計画』だったらどうでしょうか。
目標を達成できると思わせる戦略的な練習法が、無駄なく効率的に計画されてます。「このタイミングのこの練習にはこういう意味がある」「天候が悪い日はこっちの練習、体調不良の日はこんなことを試してみて」「練習後はこの数値とこの数値を記録して毎日見直そう」みたいに、書いてある通りに淡々とこなせば達成まで連れて行ってくれる、そう確信できる計画であれば、モチベーションは自然と上がるでしょう。これにはお金を払いたくなります。
なんか微妙な例えになりましたが、要は実行・継続できる計画とはお金を払えるクオリティの計画ではないか、ということです。もしそうならば、まずは「だれかに売ったろう!」という精神で計画を立てはじめ、計画が出来上がったら「これを自分or誰かが買いたいと思うだろうか?」と問い直す。そう問い直すことが独りよがりな計画から脱出する近道なのではないかということです。
よい計画が立てられるようになれば、実行へのモチベーションが上がります。そして、自然と達成できるようになるでしょう。
まとめ
今回は、マイケル・ボルダック氏の「達成の科学」を読んで、計画の立て方について学びました。計画についての章は、実は本書で一番ページ数が少ない部分でした。もっと掘り下げて書いてほしいなと思うところですね。
思い返すと、これまで僕が立てた計画で、これは値段がついてもおかしくない!と思えるようなものはありませんでした。「お金が払えるか?」という目線で見直すと、結構簡単に問題点やクオリティの低いポイントが見えてきました。
これまでの自己満足の計画ではなく「売れる(ような)計画」が立てられるようにしていきたいですね。
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