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デザイン思考で変わる、これからの仕事【21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由/佐宗邦威】

書籍

今週、レビューするのは佐宗邦威氏の「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」です。

「デザイン思考」について表面だけ勉強したことはあったのですが、実際どうやって使うの?と役立て方がイマイチわからないのが実際のところでした。学生のときに授業で学んだということもあり、特に「ビジネス」においての使い方が掴めない状態。使い方がわからないので、そもそも使う必要があるのか?なんていう疑問も浮かんでいました。

そんなわけで、「デザイン思考とは?」「ビジネスでの使い方は?」という問の答えを求めて読んでみました。

 

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デザイン思考が21世紀のビジネスで必要なわけ

21世紀のビジネス

デザイン思考の話をする前に、”21世紀のビジネス“とはどういうものなのかをかんがえてみます。

本書では、オックスフォード大学のオズボーン教授の意見に賛同し、

1 ヘルスケアやラーニング、心理学などの人との「深い」コミュニケーションに関わる仕事

2 デザインやエンジニアリング、経営などの「創造」の中心にいる仕事

p.20

の2つが今後コンピュータに代替されにくい仕事としています。

つまり、21世紀のビジネスは、「人間の感性・感覚」をフルに発揮するような仕事になると言えます。逆に、今後は感性・感覚を伴わない仕事を人間がする必要はなくなるということです。

本書では、21世紀のビジネスではデザイン思考が必要になる、という主張を基に、デザイン思考について語られていきます。

デザイン思考

では、そのデザイン思考とは何なのかを明確にしておきます。

まず、ウィキペディアで「デザイン思考」を見てみると、

デザイン思考(でざいんしこう、英: Design thinking)とは、デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉である。

Wikipadiaより

とあります。

本書では、

デザイン思考の1丁目1番地、それは「デザイナーの思考法」そのものです。

p.40

としているので、概ねの捉え方は一致していると言えるでしょう。

要はデザイナーが仕事してるときは頭の中でやっていることです。それを細かくプロセス化し模倣することで、非デザイナーでもデザイナーのような考え方で問題解決ができるんじゃない?と仮定し、様々な場面で用いられるようになりました。

デザイン思考の特徴は、何を作るのか決めてから作り始めるのではなく、作りつつ考えるというスタンスにあります。早い段階でプロトタイプを作り、頭の中だけでなく五感を用いて細部の問題点を探ります。そして、改善を行い新たな案を作り出し完成へと近づけます。いわゆる、ボトムアップ型の思考方法ですね。

これまでのビジネスマンの思考

ここで、これまでのビジネスについて考えてみます。

本書では一般的なビジネスマンの思考の特徴として

  • リサーチはファクトだけを集める
  • 前提条件を定義し、ある程度見通しを示してから、進め始める
  • 失敗はないように、効率がいいように

を挙げています。

ビジネスの場で行われてきた思考方法は非常に合理的で洗練されています。この方法で見出される解決策は、たしかに間違いのない正しいものです。ところが、合理的、効率的であるが故にどうしても機械的になりがちです。つまり、コンピュータに任せられる、任せたほうがいい、ということになります。

デザイナーの思考

一方で、デザイナーは

  • リサーチではインスピレーションを得る
  • 作りながら考え、プロセスを柔軟に変更しつつ進める
  • ひとまず作ってみて、失敗したところを変更していく

という考え方をしています。

あまり厳密な目的を持たずに手当たり次第にリサーチを行い、トライアル&エラーを前提としているので、非合理的で非効率的。ですが、人間の感覚を通して観察される場面が多いので、それだけリアルにユーザー視点に立つことができます。

また、インプットとアウトプットの間を飛躍させることで、今まで世界になかったものを作ることもデザイナーの思考の特徴です。本書ではこの飛躍を「ジャンプ」と呼んでいます。詳しくは述べませんが「新統合」「アナロジー」「前提破壊」の3つを駆使し、インプットで得たデータを飛躍させることで斬新なアウトプットを生み出します。

これら人間的で創造的な思考方法はコンピュータに任せにくいのが現状です。これから人間がしていくべき仕事・活動はこういった思考法の上で行うといいのではないか、と思います。

デザイン思考に必要なツールやメソッド

本書では、デザイン思考を実践するために必要なツールやメソッドが具体的に記されています。例えば、ペンの選び方から、創造性を掻き立てる環境の作り方など。またリサーチの方法や心構えも詳しく紹介されています。

面白かったのは、リサーチにGoogle画像検索やPinterestをガンガン用いていることです。既製品をインプットすると個性的なものが作れなくなる、なんてことを言う人もいます。無意識に模倣してしまう可能性があるからです。しかし、それを恐れることなくインターネットから大量の情報をインプットすることが推奨されています。これには正直驚きました。非常に簡単なリサーチ方法なので、すぐにでも実行できますね。

もちろん、これはリサーチ方法の一つにすぎませんので、インターネットの画像だけでプロダクドデザインが完結するわけではありません。この点は注意が必要ですね。

この他、色々と気になるツールやメソッドが紹介されていますが、そこはぜひ読んでお確かめください。

まとめ

以上、佐宗邦威氏の「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」を読んだ感想でした。

おそらく、デザイン思考はビジネスに必要なだけでなく、人生を楽しく過ごすためにも必要なスキルになっていくでしょう。

デザイン思考を身につけることで創造的な人間性あふれる仕事・生活をしていきたいですね。

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